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おひさま 第85号~ 子供と水の事故 / 食育と子どもの発達 ~



奥村先生のお話【子供と水の事故】

暑い、暑い夏が少しずつ和らいできました。今年の夏は岐阜県内でも、こどもの痛ましい水の事故のニュースがいくつかありました。令和元年の統計によると、小児の不慮の事故における死因のうち、溺水は3番目に多く、5歳以上では最も多いのです。溺水で亡くなった53例のうち、プールや自然水域での事故は23例で、87%が5歳以上でした。水難事故全体でみると中学生以下は全体の1/4を占めます。溺水はプールや海、川などが多いと思いがちですが、家庭内事故が26例で、そのうち自宅の浴槽での事故が24例でした。つまり4歳以下では浴槽での事故、5歳以上になると屋外での事故が増える傾向があります。人が溺れるときは声もださず、水面をたたくわけでもなく、静かに沈むとされ、溺水トラブルを経験した保護者の86%が気づかなかったと答えています。溺水は2.5cmの水深があれば起こる可能性があります。水中での時間が5分をこえると神経学的後遺症を残しやすいとされています。事故が起きた時の対応も大切ですが、それ以上に予防が大切です。

自宅浴槽での事故の場合・・・  
 ・浴槽の施錠を徹底する。
 ・入浴後は浴槽のお湯を抜く。
 ・保護者が洗髪中は児を浴槽から出し、定期的に声をかける。
 ・首浮き輪を含めた浴槽用浮き輪を使わない。
 ・足を入れて座るタイプの浮き輪もひっくり返った場合に自分で戻れずリスクが高い。

自然水域の場合・・・
  ・自然水域ではライフジャケットの着用を徹底する。
  ・事故発生率の高い地形の情報提供や立ち入りの封鎖をし、その水域では遊ばせない。
  ・水難救助に対する知識の習得をする。
  ・場所によっては、専門の監視員が必要。
  ・基本的な水泳技術の習得。
特にここ数年、コロナの影響で水泳の授業が減り、泳ぐ技術が未熟なだけでなく、水にも慣れていないので注意が必要です。

スタッフコラム【食育と子どもの発達】

夏休みも終わり、あわただしい毎日が戻ってきました。今回は幼少期からの食育が子どもの成長にどのような影響をあたえているのかについてです。

幼少期の食事習慣が大切なわけ
昔から三つ子の魂百までということわざがありますが、これは3歳頃までに形成された性格は生涯変わらないという意味があり、幼い頃からの食事習慣は将来の幸福度まで影響があるとまで言われています。脳の細胞は3歳までに80%、12歳でほぼ完成し、また味覚も3歳までにほぼ出来上がり、8歳までに完成されると言われています。ですからこの大切な時期にいろんなものを見たり触ったり、味わったりすることで多くのことを吸収して脳や心が成長していくのです。 

楽しい食事環境を
幼児期には昨日はたくさん食べられても、今日は少ししか食べないなど食欲にムラがあることはよくあります。無理に食べさせようとすると食べることが嫌になってしまいますから、そんな時はおうちの方が食べておいしいことを見せてあげましょう。食べないからとすぐ横で怖い顔をしていると食事すること自体、嫌なことと覚えてしまうため、楽しくお話しをしながら食べるとよいですね。
まだスプーンなど上手に使えない時期は、手で食べたりしていろんなところが汚れてしまいますが、それもまた大切なプロセスです。食べ物の触感、顔や手、服が汚れて気持ちが悪いなども体験を通して身につけていきます。
  
食べものの好き嫌い
お子さまの好き嫌いに悩むおうちの方も多いと思いますが、味蕾(みらい)をご存知ですか?舌の表面にあるプツプツしたものですが、一つ一つが蕾のような形をしてあらゆる味を感知できます。なんとこれが胎児の頃から備わっていて胎盤を通してお母さんの食べたものの味覚を感じ取っています。
ですから食育はお母さんのおなかにいるときから始まっているのです。生まれてからも母乳を通していろいろな味を経験することで味蕾が発達します。幼い時期に多くの素材そのものの味に触れさせることによって将来好き嫌いが少なくなると言われています。お子さんが成長してからも嫌いな食材を楽しい環境下で食べると好きになることも多々あります。チャレンジしてみてください!