おひさま 第77号~ ウイルス抗原検査キット / 冬に起きやすい事故を防ごう ~
葛西先生のお話【ウイルス抗原検査キット】
コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時検査キットがドラッグストアやネットでも購入が可能となりました。小児科領域はもともと感染症の患者さんが多く、以前よりこのような迅速キットの使用に関して最も慣れている診療科だと思っています。最近、家庭で使用されている方もちらほらみられますが、できるだけ検査の信頼性・精度が高くなるコツを紹介しておきたいと思いす。検査のタイミングや検体採取をしっかりおこなえば、抗原検査でもPCR検査に比べても遜色ないと考えています。PCR検査でもタイミングや採取方法が良くないと精度が明らかに落ちます。
まず、コロナウイルスの検査ですが、概ね38℃台の発熱があってから最低6時間以上たっていると精度は高いです。大人でワクチン接種歴のある方は微熱や咽頭痛程度の症状であることも多く、そのような症状でも6時間以上は経過している方が望ましいでしょう。熱が出てすぐはPCR検査でもさえも感度は良くないと現場の肌感覚で感じます。採取部位は鼻の奥、鼻咽頭粘膜からが一番精度が高いと感じます(ただし一番いやな部位からの採取ですが・・・)。コロナ感染では咽頭痛が強い、後遺症で嗅覚障害などから、喉の奥の方で炎症が強くウイルスも増殖しやすいのではと思います、したがって鼻は痛いかもしれませんが検査精度は高いです。大人は10cm程度、子どもは8~6cm程度ゆっくり鼻の穴に綿棒を挿入し、約10秒間分泌物を綿棒に吸収させるために我慢してもらって、クルクル回しながら鼻腔の周囲を擦りつつ引き抜きます。お子さんに施行する場合は大変嫌がるお子さんが多く、手や頭をしっかり押さえて下さい。押さえが不十分で暴れてしまうと、鼻血が出て止まりにくくなったり、綿棒が途中で折れたりすることもあったので施行時はお子さんが動かないようにしっかりおさえることが最も大切です。一方、インフルエンザの検査は以前からおこなわれていますが、こちらは少なくとも38℃の以上の発熱から12時間以上経過してからの検査実施の精度が高いです。採取部位は同じです。従って、コロナ・インフルエンザウイルス同時検査キットでおこなう場合は38℃以上の発熱から12時間以上経過し、鼻咽頭ぬぐい液を採取し検査をするとコロナもインフルエンザも精度が高いでしょう。ただ、様々な抗原キットが発売されていますので最終的には、説明書に従って検査はおこなってください。
スタッフコラム【冬に起きやすい事故を防ごう】
今年も寒い冬がやってきました。1年のうち冬はケガや事故が多い季節です。
今回は冬に起きやすいケガや事故のお話と、どんなことに気をつけたらいいかをお伝えしたいと思います。
今回は冬に起きやすいケガや事故のお話と、どんなことに気をつけたらいいかをお伝えしたいと思います。
まず一番多いのは暖房器具でのやけどです。幼いお子さんでストーブやファンヒーターに手を伸ばしてやけどしてしまう事例が多くあります。ストーブに直接触ればもちろんのこと、ファンヒーターは熱風に触れたとたんにやけどしてしまいます。やけどを防ぐには、暖房器具の周りに安全柵を置くことや、親が目を離して子どもだけにするときはエアコンを利用したほうが安心です。ストーブを使用するときはやかんなど乗せないようにしましょう。おもちゃで遊んでいたとき、何かの拍子でやかんに当たったら・・と思うと怖くなります。また低温やけどにも注意が必要です。大人でもあると思いますが、衣服にカイロを貼っていて、気づいたらヒリヒリ赤くなっていたこと。熱いものに触ってできたやけどは皮膚の表面ですが、低温やけどは皮膚の深いところまで進行してしまいます。子どもの皮膚は薄いため、長時間貼ることは避けましょう。そして寝返りのできない乳児はこたつやカーペットで寝ているだけでも低温やけどになるので気をつけなければいけません。
冬に限ったことではありませんが、熱いお茶やお味噌汁をこぼしてしまい。来院される方がみえます。お子さんの手の届く範囲に熱いものは置かないようにしましょう。
冬に限ったことではありませんが、熱いお茶やお味噌汁をこぼしてしまい。来院される方がみえます。お子さんの手の届く範囲に熱いものは置かないようにしましょう。
ストーブの周りにライターやマッチ、燃えやすいものは置いていませんか?
冬は乾燥しているため、何かに引火するとあっという間に燃え広がります。暖房機器の周りには燃えやすい物は置かないようにして、ライターなどは子どもの知らない場所に保管して下さい。火事の怖さを伝え、危なくない環境をつくりましょう。
冬は日没が早いため暗くなるのも早いことから、登下校など薄暗くなると車のドライバーから見えにくくなります。カバンや靴などに光る素材の反射板(リフレクター)を貼り付けておくと遠くの車からも認識されるので安心です。道路に雪が積もっていなくても凍結して転倒する事故も増えます。日陰などは溶けないところがあるので気をつけたいところです。
ちょっとした注意で大きな事故を防げるので、ご家庭でも参考にしてみてください。
冬は乾燥しているため、何かに引火するとあっという間に燃え広がります。暖房機器の周りには燃えやすい物は置かないようにして、ライターなどは子どもの知らない場所に保管して下さい。火事の怖さを伝え、危なくない環境をつくりましょう。
冬は日没が早いため暗くなるのも早いことから、登下校など薄暗くなると車のドライバーから見えにくくなります。カバンや靴などに光る素材の反射板(リフレクター)を貼り付けておくと遠くの車からも認識されるので安心です。道路に雪が積もっていなくても凍結して転倒する事故も増えます。日陰などは溶けないところがあるので気をつけたいところです。
ちょっとした注意で大きな事故を防げるので、ご家庭でも参考にしてみてください。