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おひさま 第71号~ コロナの検査について / 夏に流行る風邪 ~



葛西先生のお話【コロナの検査について】

 新型コロナウイルス感染が起こってから、2年以上経過しています。約2年間お子さんに検査を施行しながら、陽性になりやすいお子さんには傾向があり、当院ではそのようなお子さんを中心に検査を施行しています。38℃以上の発熱症状があり①集団生活や習い事など身近に感染者がいた。濃厚接触者に該当しなくても身近に感染者がいた場合陽性の可能性が高くなります。②親御さんの体調不良がある。親御さんはワクチンを打っていることが多いので、風邪気味や咽頭痛など軽い上気道症状がある場合、お子さんが陽性になることがあります。③比較的年齢の高いお子さんの発熱。小学校高学年以上のお子さんは普段38℃を超える発熱自体出ることが少なく、小さなお子さんに比べると塾や習い事など行動範囲が広い傾向があり、また検査に比較的協力的な年齢であるので検査をさせてもらっています。ただ、陽性になる可能性は①②に比べると低いです。
 当院では原則抗原検査をしていますが、適切なタイミングですればPCRと遜色ないと考えています。以前からおこなわれているインフルエンザの抗原検査よりも感度が高いと感じます。検査のタイミングも重要と考えています。当院ではお子さんの場合38℃以上の発熱があってから6時間以上は経過してから検査をするようにしています。ご家族に感染者がでた場合、保健所でご家族のPCR検査を行いますが、症状がないときにPCR検査をして陰性、後日症状が出現し当院の再検査で陽性になったお子さんも多数いました。また他院で発熱してすぐに検査をして陰性、翌日6時間以上たって検査をすると陽性であったことも多く見られました。当院では原則①②③のいずれかに該当し、38℃以上が出てから6時間以上たってからのタイミングで検査をする方針をとっています。ただ今後のコロナウイルスの変異や流行状況、お子さんのワクチン接種状況によっては当院の検査施行基準の再検討が必要となる可能性もあると思います。
 検体採取は鼻咽頭ぬぐい液でおこなうのでお子さんの負担が大きいと思います。大人でもいやな検査ですが、お子さんに検査を今までやってきた実感として、検査の回数を重ねるごとに検査の協力が得にくく、暴れる程度が強くなります。お父さんお母さんにはしっかりとおさえて固定してもらわないと検査が安全に施行できません。小児科医としてはお子さんに負担のある検査は極力避けたいので、当院では優先度、タイミングを考慮しながら施行しています。

スタッフコラム【子どもとの入浴】

夏場に流行るかぜで、咽頭結膜熱(プール熱)、手足口病、ヘルパンギーナがあります。

咽頭結膜熱 
高熱が3~7日程続き、のどの痛み、眼の充血や痛みなどがあります。
手足口病 
名前の通り、手のひら、足の裏や口の中に水疱ができます。
ヘルパンギーナ
高熱が出て、口の中に水疱ができることで痛みを伴います。

感染経路は?

飛沫感染、接触感染で、主にお腹の中でウイルスが増えるので、便にウイルスが大量に出て、手を介して口からうつります。治ってから、1ヶ月近くは便中にウイルスが出ていますので、この間はオムツなどからもうつる可能性があり、注意が必要です。お子さんの便を処理した場合は、特に念入りに手洗いをしましょう。

治療や対処方法は?

ウイルス性の夏風邪なので、特に特効薬はありません。基本的に数日の自然経過で熱が下がり、症状が落ち着いていきますが、発熱でぐったりしている時や、口の中に水疱があり痛みを伴う場合は、我慢せずに解熱鎮痛剤を使用することをおすすめします。
また、高熱が出ている時やのどの痛みがある時は食欲が低下することがあるので、水分を積極的に摂取して脱水症状にならないように注意しましょう。口の中の水疱が潰れてしまうと痛みが強くなり、食事が難しくなります。その場合は、刺激の強いものは避けて、乳製品(冷めたシチューや冷めたグラタン)やのどごしが良く口あたりのよいものがおすすめです。
入浴は、高熱がある時は避けて、38℃以下で本人に活気がある時はシャワーで汗を流す程度にしましょう。

保育所や学校は?

咽頭結膜炎(プール熱)については、出席停止となります。発熱やのどの痛み、眼の充血が消失して2日以上経過してから登園、登校が許可となります。
手足口病、ヘルパンギーナについては、発熱がなく(解熱後1日以上が経過)、水疱が残っていても登園、登校が可能となりますが、保育園によって、発疹が残っていると登園ができない所もあるので相談の上で登園するといいでしょう。