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おひさま 第70号~ 就学に向けて / 子どもとの入浴 ~



葛西先生のお話【就学に向けて】

当院の発達とこころの外来はこれから秋にかけて大変忙しいシーズンを迎えます。年長のお子さんで就学に向けての準備やご相談が多くなるからです。教育委員会からは6月くらいから就学に向けて相談が始まり、最終的に秋には進路を決定することになります。就学に向けて教育委員会としては医療機関に発達検査や診断を求めて来ることが多く、そのため当院では多くの時間が費やされます。またWISCという発達検査は1時間超かかり、当院では結果説明は1時間弱かけて行っています。年齢的にお子さんの集中力や多動などの特徴により検査の施行が難しいこともあります。
小学校では、お子さんに求められることは保育園・幼稚園の頃に比べれば格段に高くなります。学習が主になるため、学校の授業は45分間程度じっと座って、好きな授業も嫌いな授業も先生の話を受動的に聴かなければなりません。園の頃の遊びを中心としたものとはガラッと変わります。検査結果や診察室のご様子、医学の面からはアドバイスはさせていただきますが、学校の先生とも相談をしていただき最終的な判断は親御さんの意思が尊重されることになります。ただ外来で様々なお子さんを見ていると、最初から支援を利用する方が後々スムーズな印象を受けます。1-2年生の時からいっぱいいっぱいのお子さんは3-4年生からかなり学校生活が苦しくなります。低学年は読み書き計算と学習の基礎を学びますが、3-4年生からは読んだり、書いたり、計算したりすることから学習を深めていきます。よく言われる「9-10歳の壁」と言われるものです。低学年から学習に苦労すると、勉強が嫌いになってしまいます。勉強が嫌いになってしまうと、3-4年生でいざ支援を受けようとしても本人は勉強が嫌いになっているので、勉強をするモチベーションから立て直さなければならなくなります。ゼロからの再出発というよりマイナスからの再出発になります。その時かなりのエネルギーが必要であることが多いと感じています。
外来で見ていると、親御さんの思いは様々です。丁寧な支援指導を受けさせたい方、少しでも通常学級で頑張ってほしい方など…。ただ不登校やこころの不調にならないように、お子さんが楽しく学校に通える環境を作ってあげることが大切だと思います。

スタッフコラム【子どもとの入浴】

 最近はお風呂に浸からずにシャワーだけで済ませてしまう人も少なくないようですが、実はシャワーだけで済ませるよりもお風呂に入る人のほうが健康になるとも言われています。お風呂に浸かる事で体温が上がり、血行が促進され風邪が引きにくくなります。親子で入浴すればそれだけではなく、子どもは体の洗い方、遊び方を学び、保護者は子どもの健康状態を確認する事ができます。

期待できる効果

入浴には温かいお湯に浸かる事で得られる、温熱効果・洗浄効果、水圧が体にかかる事で得られる静水圧作用や浮力など様々な効果が期待できます。

親子のスキンシップの場

お風呂の中は一対一で向き合える空間です。その日の出来事や悩み事を話すにはピッタリの場所といえます。又、体を洗ったり、一緒に遊んだり、数、九九を覚えたりなど〝浴育〟をすることは子どもの成長にも良い影響をもたらします。

子どもと一緒に入浴できるのはいつまで?

いつまで子どもと一緒に入浴するか悩むお父さん、お母さんも多いと思いますが、子どもと一緒に入浴できる年齢に決まりはありません。子どもが自ら一人で入浴をすることを希望するようになったら一緒に入るのをやめればよいのです。しかし、子どもが一緒に入ることに抵抗を感じなくても体が発達してくる時期になると異性の親との入浴を考えることもあるでしょう。そのような時には銭湯や温泉などの公衆浴場向けに定められている。「衛生等管理要領」の中の「概ね10歳以上の男女を混浴させないこと」という文言を目安にし、異性の親との入浴回数を少しずつ減らしていくとよいかもしれません。

風邪の時お風呂はどうする?

高熱の時やぐったりとしている時はこれ以上体力を消耗させないように入浴は控えましょう。機嫌が良く、元気があるようでしたらさっとシャワーで汗を流してあげるだけでも良いでしょう。

お湯の温度・入浴時間

子どもと一緒に入浴する時は大人がぬるいと感じるくらいの38度~39度で15分程度がベストです。
※子どもは数センチの水でも溺れる事があり、入浴中は目を離さないようにしましょう。

お湯の温度・入浴時間に気を配り正しく、
楽しいお風呂に入りましょう。