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おひさま 第98号~ コロナ前とコロナ後の子どもたち/シートベルトを正しく着用できていますか? ~



かさい先生のお話【コロナ前とコロナ後の子どもたち】

小児科が他の診療科にはない特徴として、成長していく子どもの発達を診察しているところです。特に小児科医にとって子どもの発達を診る健診は非常に大切な仕事です。 
最近、奥村先生と話をしていて、健診をしながらコロナ前の子どもたちとコロナ後の子どもたちの違いを肌感覚として感じています。岐阜市の集団でおこなわれる3歳児健診に行くと、お子さんに「おはよう/こんにちは」、「お名前は?」、「何歳かな?」と声かけや質問をします。コロナ前の健診の時は声かけにしっかりと答えてくれる子どもたちがほとんどでした。しかし最近は質問しても答えてくれない子どもの割合がかなり多くなってきたなと感じました。 また5歳児健診はクリニックでおこなっていますが、コロナ前はイスに姿勢良く座っていられるお子さんが多かったものですが、コロナ後はイスでクルクル、フラフラし姿勢良く座っていられないお子さんの方が目立つようになってきました。3歳の言葉の面から言うと、子どもたちは大人の顔の表情や口の動かし方を見て模倣し、言葉や情緒面を学んでいきます。コロナ禍を過ごしてきた子どもたちは、子ども自身がお互いにマスクをつけることはもちろん、周りの大人もマスクをし、表情や口の動かし方を見る機会が減っていました。今でも普段子どもたちと接する園・学校の先生もマスクをつけることが多い状況だと思います。マスクはコロナ感染は防げるかもしれませんが、長期的に子どもの言葉や情緒面の発達にとってデメリットを感じます。また、もともとコロナ前から子どもの運動量の減少は言われてきました。更にコロナ禍ではステイホームが推奨され、幼児期に体を使って遊ぶ時期に遊ぶ機会が奪われ、運動面の発達が十分にできず、5歳児健診の時にイスに姿勢良く座っていられない子どもが増えてしまっているのではと感じています。本来獲得しなければいけない時期に獲得できていないツケが今後出てきて問題にならないか危惧しています。
健診で見られる奥村先生や自身の現場でのこの肌感覚が、最近論文でコロナ前の子どもとコロナ後の子どもでは5歳時点の発達が4ヶ月ほど遅れ、個人差が拡大しているとのデータが発表されました。自身の肌感覚が証明されたような研究結果です。したがってイメージとしてコロナ後の今、小学校1年生に入学するお子さんのレベルが、年長の秋から冬ぐらいの発達レベルのお子さんが今後小学校に入学して学習をおこなうといったイメージでしょうか・・・。
発達とこころの外来を受診するお子さんは少子化のはずなのに一向に減りません。このような点も子どもたちの発達に影響しているのかなと考える今日この頃です。

スタッフコラム
【シートベルトを正しく着用できていますか?】

車内の安全は、車に乗る人全員がシートベルトかチャイルドシートを使用することで確保できます。
チャイルドシートは、万が一の交通事故などによる衝撃から子どもを守るためのものです。大人であればシートベルトを装着できますが、体の小さな子どもは装着することができません。シートベルトの代わりにチャイルドシートを用いることで、事故の衝撃から子どもを守ることができるのです。また、子どもが走行中に車内で動き回って怪我をしてしまうことを防ぐ役割もあります。
道路交通法では6歳未満の子どもにチャイルドシートの使用が義務づけられています。
しかし、6歳以上であっても子どもの体格によってはシートベルトが十分な効果を発揮できない場合があるため、チャイルドシートを活用しましょう。9月中旬に日本自動車連盟(JAF)は、チャイルドシートの着用推奨目安を身長140cmから150cm に引き上げました。通常、大人の体格であれば、シートベルトは「鎖骨の中央付近」と「腰骨」にかかります。
しかし、大人の体格に達していない子どもがシートベルトをそのまま利用すると、「首や腹部」にかかってしまいます。この状態では事故の衝撃で首や腹部を損傷する可能性が高く、命を守るはずのシートベルトで受傷してしまう危険性があります。

≪シートベルトを正しく安全に使用できる体格の目安≫

肩にかかるベルトが鎖骨の中央から胸骨を通るように着用できている。
 ※ベルトが首にかかっていると、首が絞まる恐れがあります。

腰に巻くベルトが骨盤の左右の腰骨を押さえるように着用できている。
※ベルトが腹部を通っていると、事故の衝撃で内臓を損傷する危険性があります。

チャイルドシートは子どもの年齢や体格によって乳児用(ベビーシート)、幼児用、学童用(ジュニアシート)に分けられているため、お子様に合わせた選択をしてください。

また、チャイルドシートを使用していても、車両への取付け固定が不十分であったり、正しく座らせなかった場合には、事故時にチャイルドシートがシートベルトから分離してしまったり、子どもがチャイルドシートから飛び出してしまうなど、チャイルドシート本来の機能が発揮できないことがあります。もしチャイルドシートを使用せずに衝突した場合、全身を強打したり、車外に放り出される可能性があるため、必ずチャイルドシートを使用しましょう。

チャイルドシートの適正な使用が子どもの命を守ります。