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おひさま 第97号~ マイコプラズマ肺炎/ こどもと睡眠~



おくむら先生のお話【マイコプラズマ肺炎】

最近、マイコプラズマ肺炎が流行という話題を耳にします。
とはいえ、マイコプラズマはCOVID-19のような新しい感染症ではなく、昔からある、小児科医からみたらめずらしくもない感染症です。

マイコプラズマは細菌とウイルスの中間の大きさの病原体で、マイコプラズマに感染しても全員が肺炎になるわけではありません。治療しなくても、自然治癒する病気で、感染した人の数%が肺炎になるといわれています。肺炎になっても、必ずしも入院が必要とは限らず、自宅療養も可能です。学童期のお子様がよく感染し、小さいお子様は比較的軽症で済むことが多いです。感染すると1〜4週間の潜伏期間の後、発熱、咳嗽の症状がみられます。解熱後、咳は3〜4週間続きますが、ほとんどの方で症状は軽いことが多いです。   
症状の強い方は抗生剤による治療を行います。抗生剤はマクロライド系という抗生物質が有効ですが、苦くて飲めないお子様も多くみえます。また近年、このマクロライド系の抗生物質が効かなくなったマクロライド耐性のマイコプラズマがみられるようになってきたので、この場合、症状の強さ次第では、他の抗生剤を使用することもあります。年齢によっては副作用を気にしないといけないものもあるので、その時は相談しながら使用することになります。

感染力はそこまで強くありませんが、飛沫や濃厚接触で感染します。咳エチケット等、一般的な予防法で大丈夫です。

スタッフコラム【こどもと睡眠】

夏休みも終わり、もとの生活習慣に戻していく時期ですね。夏休み期間中も『早寝早起き』の習慣はできていましたか?十分な睡眠時間とれていましたか?こどもの睡眠は、『寝る子は育つ』と昔から言われるようにこどもの発達にとても大切な役割をしています。

▼なぜ睡眠って大切なの? 
人は眠ることで脳や体の疲労を回復させています。また、睡眠時に分泌される成長ホルモンは、こどもの発達や成長にとても大切です。成長ホルモンには、
①免疫力を強化する(新陳代謝を高め、傷ついた細胞を修復する)
②筋肉を増やす
③骨を形成する
  役割があります。
例えば、身長の話。身長が伸びるためには骨の末端細胞の中に『成長板』という軟骨細胞があります。この細胞が増えることで、身長は伸びていきます。思春期になり、この軟骨細胞が骨の細胞になると、成長(身長)は止まってしまいます。
▼『早寝早起き』を習慣づけるには?
『早く寝て⇒早く起きる』を意識するよりも、『早く起きて⇒早く寝る』がポイントです。1週間ほど、起きる時間(起こす時間)を決めて、起こしてみてください。起きた時に、カーテンを開けて朝日を浴び陽光を体に浴びさせること、寝るのが遅くなった場合も起きる時間は同時刻で起こすことが大切です。続けていくことで、徐々に体内時計が朝方に変わっていきます。

▼昼寝の時間
年齢によって昼寝の必要性や昼寝の時間は個人差があり、一概に年齢で区切ることはできません。ですが、昼寝の時間を長くとりすぎてしまうと、就寝時寝つきが悪く、夜間の睡眠時間が少なくなってしまいます。夕寝にならないように、午後3時までに、時間は30分から1時間半で起こしましょう。

▼夕食・入浴のタイミング
 夕食の時間…消化するためには、食後1時間程度かかるため、夕食は遅くとも寝る2時間前までにすませるといいです。
 入浴の時間…眠たくなるのは体温が下がった時です。入浴し体温が上がり、その後急降下することで眠気が強くなります。寝つきが悪い場合、寝具に入る1時間~1時間半前に湯船につかるのがおすすめです。 

▼ベットタイムルーティンをきめる
 パジャマに着替える、『おやすみ』のあいさつをする、絵本を1冊読んだら寝る、ぬいぐるみと一緒に寝る…などルーティンを決め、気持ちの区切りを意図的につけることで眠ることをうながします。乳幼児期の場合、寝る前のふれあい遊びや抱っこ、授乳をルーティンにしてしまうと夜間覚醒したときに同様の方法でないとうまく寝付くことができず、再度寝付くのが難しくなります。親子の負担につながりやすいので、過度なスキンシップではない方法に変えていけるといいです。
 質のよい睡眠時間があってこそ、活発な日常生活を送ることができます。こどもの睡眠習慣は大人の生活習慣を映す鏡になります。今年も残り4ヶ月です!家族全員でもう一度生活習慣を見直し、子どもの心と身体の健康を支えましょう。