おひさま 第81号~ 今さらですが、嘔吐・下痢の時って・・・ / 家庭でできる経口補水療法って? ~
奥村先生のお話【今さらですが、嘔吐・下痢の時って・・・】
ここ数年コロナの感染対策のおかげで?季節ごとにはやる感染症がなりをひそめていましたが、今年の冬はウイルス性胃腸炎が流行しました。そんな中、吐き続けているお子様にひたすら水やお茶のみをあたえ続けるも、吐き続け、ぐったりして受診されるというケースが多くみられました。なぜこんなことになってしまうのか…。胃腸炎の症状が強くて…という場合もありますが、水やお茶をあげ続けたことで、どんどん悪くなっている場合も少なくありません。
人の体のエネルギー源のメインは糖です。糖は体の中にある程度ストックされていますが、お子様の場合、ストックが少ないので、糖分が摂取できないとすぐに使い果たされてしまいます。胃腸炎で嘔吐、下痢が続く時、また、よくあるのが、夕食を食べずに眠ってしまった時などもこれにあたります。糖分がたりなくなると、体はエネルギー源として、脂肪を燃やします。脂肪を燃やすと、ケトン体という代謝産物ができます。このケトン体が、腹痛、嘔吐などの原因になります。糖分を入れずにお茶や水だけを飲んでいると、ひたすら脂肪がもやされ、ケトン体がたまり、さらに腹痛、嘔吐が続くといった悪循環におちいり、一向に改善しません。これを繰り返すと脱水になり、点滴が必要になります。また血糖値がさがり、ぐったり、意識混濁などの低血糖の症状がでてきます。低血糖が続くと脳にダメージを与えてしまうこともあり、早急な治療が必要となります。こうならないためにどうすればいいかというと、糖分をとる必要があります。さらに嘔吐、下痢がある場合は塩分も失われているので、糖分と塩分をバランスよく摂取する必要があります。
人の体のエネルギー源のメインは糖です。糖は体の中にある程度ストックされていますが、お子様の場合、ストックが少ないので、糖分が摂取できないとすぐに使い果たされてしまいます。胃腸炎で嘔吐、下痢が続く時、また、よくあるのが、夕食を食べずに眠ってしまった時などもこれにあたります。糖分がたりなくなると、体はエネルギー源として、脂肪を燃やします。脂肪を燃やすと、ケトン体という代謝産物ができます。このケトン体が、腹痛、嘔吐などの原因になります。糖分を入れずにお茶や水だけを飲んでいると、ひたすら脂肪がもやされ、ケトン体がたまり、さらに腹痛、嘔吐が続くといった悪循環におちいり、一向に改善しません。これを繰り返すと脱水になり、点滴が必要になります。また血糖値がさがり、ぐったり、意識混濁などの低血糖の症状がでてきます。低血糖が続くと脳にダメージを与えてしまうこともあり、早急な治療が必要となります。こうならないためにどうすればいいかというと、糖分をとる必要があります。さらに嘔吐、下痢がある場合は塩分も失われているので、糖分と塩分をバランスよく摂取する必要があります。
そのバランスが整っており、吸収が速く、効率よく水分摂取できるのが経口補水液です。経口補水液スプーン1杯程度を5分おきに吐いていても飲ませ続けるのがコツです。そうするとじょじょに吐き気は治っていきます。経口補水液は薬局などで購入することもできますが、家庭で作ることができます。水1Lに砂糖40g、食塩3gを加え、少し果汁を加えると飲みやすくなります。母乳のお子様は母乳でもかまいません。市販のイオン飲料だと糖分の割合が多すぎ、塩分が少なく、吸収に時間がかかります。
ただし、どうしても嘔吐が続き、ぐったりして顔色が悪い、眠りがち、手足が冷たいなどの症状があれば、点滴が必要となることがあるので、受診してください。
ただし、どうしても嘔吐が続き、ぐったりして顔色が悪い、眠りがち、手足が冷たいなどの症状があれば、点滴が必要となることがあるので、受診してください。
スタッフコラム【家庭でできる経口補水療法って?】
奥村先生のお話しの中にでてきた【経口補水液】を飲んで脱水を防ぐ方法。これを【経口補水療法】といいます。より手軽に家庭でも行える脱水時の治療法です。WHO(世界保健機構)が開発途上国で流行した、コレラによる脱水症状の改善のために開発された治療法です。今では先進国でも胃腸炎などによる脱水症状の治療に多く使われています。小児科でも脱水時、点滴治療よりも経口補水療法から進めます。胃腸炎でなくても、発熱時、これからの季節の熱中症時にも活躍します!
ポイントをおさえて、こどもの脱水を防ぎましょう!!
◆経口補水液って?
脱水時に不足している、水分と糖分(ブドウ糖)と塩分(ナトリウム)のバランスが調整されている飲み物です。脱水時の体に吸収がよく、『飲む点滴』ともいえます。
※スポーツ飲料は糖分が多く入っているため脱水時には効果的ではありません。
◆飲ませる量とタイミングは?
嘔吐や下痢が続いている場合、まずは5ml(ペットボトルのキャップ1杯程度)を5~10分おきに与えてください。ここでたくさんの量(コップ1杯等)を与えると、胃腸がまだしっかりと動いていないので嘔吐へつながりやすいです。嘔吐がおさまってきたら、与える間隔を【5分→3分→1分】と縮めていきましょう。嘔吐しても、飲んだ量が全て出きっているわけではないので飲ませるのをやめず続けてください。
食欲がでてきて、食べることができるようになってきたら消化のいい食べ物(おかゆ・よく煮たうどんなど)を少量からあたえ、様子を見ながら食べる量を増やしていきましょう。
◆赤ちゃん(乳児)に飲ませてもいいの?
乳児も飲むことはできます。ですが、月齢に応じて母乳やミルクが主な場合はそちらを主にあたえてください。経口補水液はあくまで母乳栄養は続けてとるようにしましょう。ですが、量や間隔は普段よりも少量、頻回に与えてください。
◆嫌がって飲まない場合はどうしたらいいのか?
経口補水液は糖分よりも塩分がスポーツ飲料よりも多く含まれているため、塩味を感じやすく「飲みにくい」と言われがちです。ドリンクでは果物味がついたもの、パウチゼリーはドリンクより塩味が感じられにくいため試してみてください。また、ドリンクを一口サイズの製氷皿で凍らせて食べる方法もあります。凍らせることで口当たりが良くなるので食べやすくなります。(ペットボトルをそのまま凍らせないでください。)
それでも嫌がって難しい場合は、普段飲みなれているリンゴジュースやスポーツ飲料で糖分、うどんのおつゆやお味噌汁の上澄みなどで塩分をとりましょう。お水やお茶ばかりにならないよう、いろいろなものを進めてください。
◆経口補水液って?
脱水時に不足している、水分と糖分(ブドウ糖)と塩分(ナトリウム)のバランスが調整されている飲み物です。脱水時の体に吸収がよく、『飲む点滴』ともいえます。
※スポーツ飲料は糖分が多く入っているため脱水時には効果的ではありません。
◆飲ませる量とタイミングは?
嘔吐や下痢が続いている場合、まずは5ml(ペットボトルのキャップ1杯程度)を5~10分おきに与えてください。ここでたくさんの量(コップ1杯等)を与えると、胃腸がまだしっかりと動いていないので嘔吐へつながりやすいです。嘔吐がおさまってきたら、与える間隔を【5分→3分→1分】と縮めていきましょう。嘔吐しても、飲んだ量が全て出きっているわけではないので飲ませるのをやめず続けてください。
食欲がでてきて、食べることができるようになってきたら消化のいい食べ物(おかゆ・よく煮たうどんなど)を少量からあたえ、様子を見ながら食べる量を増やしていきましょう。
◆赤ちゃん(乳児)に飲ませてもいいの?
乳児も飲むことはできます。ですが、月齢に応じて母乳やミルクが主な場合はそちらを主にあたえてください。経口補水液はあくまで母乳栄養は続けてとるようにしましょう。ですが、量や間隔は普段よりも少量、頻回に与えてください。
◆嫌がって飲まない場合はどうしたらいいのか?
経口補水液は糖分よりも塩分がスポーツ飲料よりも多く含まれているため、塩味を感じやすく「飲みにくい」と言われがちです。ドリンクでは果物味がついたもの、パウチゼリーはドリンクより塩味が感じられにくいため試してみてください。また、ドリンクを一口サイズの製氷皿で凍らせて食べる方法もあります。凍らせることで口当たりが良くなるので食べやすくなります。(ペットボトルをそのまま凍らせないでください。)
それでも嫌がって難しい場合は、普段飲みなれているリンゴジュースやスポーツ飲料で糖分、うどんのおつゆやお味噌汁の上澄みなどで塩分をとりましょう。お水やお茶ばかりにならないよう、いろいろなものを進めてください。