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おひさま 第62号~ 発達障がいと発達性協調運動 /秋の旬な食材 ~



葛西先生のお話【発達障がいと発達性協調運動】

発達とこころの外来を受診される発達障がいのお子さんに診察室でよく見られる特徴があります。診察室に入ってくるお子さんの行動を観察していると、年齢によって多少違いはありますが、落ち着きなく歩き回る、診察のイスで、座る姿勢を維持することが困難でのけぞって座ったり、クルクルまわる行動を続ける。入ってきた瞬間に診察室のベッドに寝そべりずっと横になっている。発達障がいのお子さんにはこのような発達性協調運動障害の特徴がよくみられます。姿勢保持が苦手、不器用さ、ボディーイメージがつかめない、感覚入力のコントロールに問題があるなど。北欧では、注意欠如多動症に発達性協調運動障害の合併をDAMP(defects in attention, motor control, and perception)と呼び、本人が日常生活で困難さを感じる場面が増え問題化しやすいサインとされて、積極的な介入が必要と考えられています。
確かに自分の体が思うように使えなければ、勉強や仕事も大変です。勉強面では授業中良い姿勢を維持できないため、集中力が長続きしない、だらっとしているので先生から注意を受ける。手先が不器用で字がノートのマスからはみ出たり、トメハネが苦手、黒板の字を写すことが精いっぱいで、授業内容の理解まで効率よくできません。大人になってアルバイトや仕事の場面でモノを落としたり、壊したり、皿洗いで食器を割ったりと失敗を重ね、叱責されることが多くなってしまいがちです。体が思い通どおり動かなければ日常生活では疲れやすく、仕事も休みがちで長く続かないことも多いと言われています。
自身、発達障がいの症状の改善はお薬だけが治療とは思っていません。体の使い方が上手になることも大変重要で、治療の一つであると思っています。脳科学的にも前頭葉の一番後ろに運動野があり、発達の特性のあるお子さんは前頭葉の様々な機能の遅れが日常生活の困難さに影響しているとされています。脳の苦手な部分の近くを刺激し発達させることによって脳の発達成長を促すとも言われており、理にかなっていると考えます。薬は喫緊の症状は和らげることはできますが、体作りは3年~5年後長い目で見て効果が出てくると考えています。発達外来のお子さんの経過をみていくと、小さい頃から体作りや運動に積極的に取り組んだお子さんは、思春期くらいから落ち着いてきたなと思うことが多いと感じます。

スタッフコラム【秋の旬な食材】

秋といえば、『食欲の秋』『スポーツの秋』『読書の秋』と色々ありますね。今回は『食欲の秋』についてお話します。秋は、1年の中で最も食材が豊かな季節です。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で夏場の疲れをとってくれる働きもあります。

◆秋の代表的な食材を紹介していきます!◆ 

・魚介類
サンマ…たんぱく質、ビタミン、ミネラルが豊富な食材です。EPA・DHAが含まれています。
※EPAは、サンマなどの植物油に多く含まれている脂質のことです。血液をサラサラにしてくれるので、生活習慣の予防にもなります。DHAも、植物油に多く含まれる脂質です。これは体内で作られないため、食事によって摂取する必要があります。
・いも類
さつまいも…ビタミンCや食物繊維が豊富です。さつまいもに含まれるビタミンCは熱に強いといわれているので風邪予防にもなります。甘みもあるのでお子さまのおやつにもぴったりです。
れんこん…ビタミンCやタンニンが含まれています。咳、痰、鼻づまり、喘息、アレルギーの症状を抑える効果があります。乳酸菌と組み合わせることで、花粉症の症状を改善することもできます。
・きのこ類
しめじ…食物繊維が豊富に含まれており、便秘の改善や肥満予防になります。他にも、ビタミンDが豊富で、免疫力をアップする効果があります。
・果物類
…ソルビトールという甘味料として利用される成分が含まれています。喉の痛み、咳止めの効果があります。甘みが強いので、お子さまも食べやすくなっています。
…タンパク質、ビタミンが豊富です。さつまいもと同様に、風邪予防にもなります。

食欲の秋ということで美味しい食材も増え、つい沢山食べてしまいますよね。食べた後に「体重が・・・」と、体重を気にしてしまうこともあると思います。ですが、食事は日常を健康にすごすための大切な活力なので食べ過ぎに注意しつつ、秋の食材を上手に取り入れ、これから来る冬に向けてエネルギーを蓄えていきましょう!