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おひさま 第57号~ 高次脳機能障害と発達障がい / 子どもへの危険の伝え方 ~



葛西先生のお話【高次脳機能障害と発達障がい】

発達とこころの外来で患者さんにより新しく良い情報が提供できるように、普段から発達やこころの関連書籍をできる限り読むように心がけています。自身、ネット通販のア○ゾンさんにもよくお世話になっていて、おすすめ商品で気になるものがあると何となくポチッとして、ネット通販の購買作戦にみごとはまっています。脳の発達・障害に関する書籍をよく買っているためか、あなたにおすすめ商品の中に「高次脳機能障害」に関する本がたまたま出てきたのでポチッて読むことになりました。(ちなみに「脳コワさん」支援ガイド 鈴木大介著)
自身も高次脳機能障害と言う言葉は聞いたことがありましたが、障害に関することはほぼ知りませんでした。高次脳機能障害とは脳血管疾患、交通事故の頭部外傷など、子どもだと脳炎・脳症、虐待の頭部外傷など病気や事故後に起こる脳の障害です。私たちは基本的な脳機能障害はよく知っていて、体を動かすことに不自由がある運動機能障害や、音やにおい、手触りなど感覚が感じなくなる知覚機能の障害は想像がつきやすいです。一方、高次脳機能障害とはちょっと前に何を食べて、何をしたか覚えていなかったり、次に何をしたらよいのかわからなくて、ボーっとしたり、話したいけどうまく言葉が出てこなかったり、目の前にあるものを見つけられなかったり、気が散ったり、1日の流れがわからなかったり、突然キレやすくなったり、見た目がほとんど普通なので周りが気づきにくい障害です。本を読んでいてこれって、どこかで聞いたことのある症状に似てない???と思いました。発達障がいのお子さんに教科書的によくいわれる症状、発達とこころの外来をしているとお母さんたちからよく相談を受ける症状です。本にも発達障がいの患者さんの症状とよく似ていることが書いてありました。月に1回山田病院の小児リハビリにお手伝いにも行っているので、リハビリの先生方に「リハビリの世界では高次脳機能障害と、発達障がいの関係は何か言われているのですか?」と聞きました。「似た様なところが多いですよ」とあっさり言われました。リハビリの世界ではよく知られたことのようです。自身は外来で発達障がいの患者さんを診ていますが、受診される子どもたちが日常生活で困っている症状に、自分もいつかなる可能性が十分にあるものだと感じながら読みました。発達障がいは生まれつきの障害です。一方、高次脳機能障害は中途の障害です。そのため今までできたことが、日常生活がスムーズにできないもどかしさや戸惑いのつらさも多いようにも感じました。高次脳機能障害・発達障がいは、目に見えづらい障害であるからこそ周りから理解されにくく、本人が困っていても上手に助けを求められないと言うことをしっかり意識をして診療していかなければならないと感じた1冊でした。

スタッフコラム【子どもへの危険の伝え方】

幼稚園、小学校入学を機に子どもの交友関係や行動範囲が広がるといった、生活の変化に伴い、防犯上注意する事が多くなります。また近年、幼い子どもが巻き込まれる悲しい事件が後を絶たず、そういった危険から子どもたちを守るために、年齢に合わせて子どもたちにも「自分の身は自分で守る」ことを教える事が大切です。

年齢に応じた伝え方

《幼児期》
「知らない人についていったらダメだよ」と伝えておいても、優しそうな人なら大丈夫かもと勝手に判断してしまうかもしれませんので、一度伝えたから終わりではなく何度も繰り返し伝える事が大切です。
《6歳から8歳 》
・1人でいる時は特に注意→1人で行動している時は、不審者に狙われやすいので誰かつけてきている人がいないか、時々振り返るなど、周囲をよく見て行動する事を教えてあげましょう。
・危険な場所には近づかない→誰もいない公園、駐車場、公衆トイレなど人気が少ない場所や周囲から見えにくい場所で1人にならないように気をつける事を伝えましょう。
・家族以外の人についていかない→子どもを狙う犯罪者は「知らない人」とは限りません。家族以外の人にはついて行かないと教える方が子どもには、わかりやすいでしょう。
・何でも親に話す→普段からどんな事も話題にでき、親子で相談できる環境を作りましょう。
《9歳~13歳》 
この年頃になると、自立心も芽生え始めて行動範囲がさらに広がるため、被害のリスクが増大します。小学校高学年の子どもには犯罪に遭わないためにはどうするか、一緒に話し合い、自分で考えさせる事が大切です。教育においてもただ指導をするのではなく、実際に被害に遭いそうな場合を想定して実践するのも効果的です。知らない人が近づいてきた場合は手が届かない距離まで離れ、助けを求める。逃げる時は直線的ではなくジグザグに逃げるなど、予測の付きにくい動きを覚えさせます。
★色々な場所に潜む危険な所を親子で確認し学習して頂けると良いかと思います。