おひさま 第53号~ お子さんが「がんばろう」と思うには・・・ / 音読の宿題の意味って…? ~
かさい先生のお話【お子さんが「がんばろう」と思うには・・・】
こどもの発達とこころの分野は医学の中でも心理学や教育学と重なっていることが多いと思っています。そのためまだまだ自身勉強することが多く発展途上中です。心理学に関係する本を読んでいて、アメリカの心理学者マズローが提唱した「マズローの欲求5段階説」と言われる理論に、なるほどと納得しています。クリニックには臨床心理の先生がおられるので、「心理学では有名な理論でなんですか?」聞いたところ、大学の心理の教科書やテストにもよく出題されるほど超有名な理論でした(^^;)
ごく簡単に説明すると・・・。人にとって「やる気」や「がんばろう」と思う気持ち、つまり“⑤自己実現欲求”には段階的な土台が必要であるという理論です。すなわち、その土台ができていなければ「がんばろう」と言う気持ちは出てきません。まず、一番底辺の土台となるものは①生理的欲求です。食欲や睡眠、排泄など生きていくために必要不可欠な欲求です。その次は②安全欲求です。危険を回避して、安心で安全に暮らしていきたいという欲求です。③番目が社会的欲求(所属と愛の欲求)です。集団に所属し、仲間を求めようとする欲求です。人間は1人では生きていけないいきものです。家族、会社、学校など集団に所属して安心感を得たいと言う欲求です。そして④番目に承認欲求です。所属する集団・社会の中で認められたいという欲求です。SNSなどでの「いいね」に当たります。土台の①~④が満たされてピラミッドの頂点にある⑤自己実現欲求、「やる気」や「がんばろう」という気持ちが湧いてきます。では、不登校のお子さんはどうでしょうか?①の生理的欲求で、お腹が痛くて食欲がなかったり、眠れなかったりしていないでしょうか?②の安全欲求、③の社会的欲求では家庭が安心できる居場所でなく、学校が友人関係、勉強、先生との関係など不安で居場所がなくなっていないでしょうか?④の承認欲求ではお子さんに「何で学校に行かないの?」、「がんばっていきなさい!」と無理な登校刺激をして、承認欲求を満たすのではなくダメ出しをしていないでしょうか?したがって、不登校のお子さんには少なくとも食事、睡眠がしっかりとれるようにする。家庭や学校が安心感を持って過ごせるような場所であるように調整する。そのような場所にならないようであれば、保健室、適応指導教室、別の趣味やスポーツの場など安心でき、認められる居場所を作ってあげる。家庭や居場所で「ありがとう」、「がんばっているね」など承認欲求を満たすようなポジティブな声掛けを多くする。そのような土台作りなくして、解決しない問題だと感じます。不登校にかかわらず、この理論を意識しながらお子さんに関わっていくことは大切だと思います。
スタッフコラム【音読の宿題の意味って…?】
小学生のころ、宿題に『音読』があり、嫌いだった記憶がありますが、お母さん、お父さん方はどうでしたか?現代でもお子様の学校で音読の宿題がありますよね。お母さん、お父さんもお忙しい中、音読の宿題を見てあげるのは大変だと思います。そもそも音読って必要なのかなと私自身、小学生の時に疑問に思っていたのですが、皆さんはどうでしたか。改めて、音読がなぜ必要なのか調べてみました。
音読は声に出して読むこと、黙読は黙って読むことをいいますが、声に出して読むことよって目からだけでなく、耳からも情報が頭に入るので内容の理解度が高まることが一番の効果のようです。
大人になってからも、例えば、何かを作ったりするときに説明書を読むことありますよね。
読んでいて意味がよく分からないなってときに、声に出して読むことによって意味が分かることがあるのは、そういった効果が関係しているそうです。
当院の葛西先生が専門で診ている発達障がいの分野でも、音読によってお子様の特性を診断することがあります。音読がうまく出来なくて悩んでいるお子様は少なくないようです。文字の認識ができなかったり、『みかん』を『み』『か』『ん』などの一音ずつしか読めなかったり、小さい『っ』や音を伸ばす『-』が認識できずに読めない場合や、そもそも音読自体をやろうとせず拒むお子様は、学習障がいの中の【読み・書き障がい(ディスレクシア)】の可能性があるそうです。
なので、音読をきっかけにお子様の本質を発見するきっかけになることもあるので、音読も大事なことだなと思いました。皆様もお子様の音読の宿題の意味を少し気にしてみてくださいね。
音読は声に出して読むこと、黙読は黙って読むことをいいますが、声に出して読むことよって目からだけでなく、耳からも情報が頭に入るので内容の理解度が高まることが一番の効果のようです。
大人になってからも、例えば、何かを作ったりするときに説明書を読むことありますよね。
読んでいて意味がよく分からないなってときに、声に出して読むことによって意味が分かることがあるのは、そういった効果が関係しているそうです。
当院の葛西先生が専門で診ている発達障がいの分野でも、音読によってお子様の特性を診断することがあります。音読がうまく出来なくて悩んでいるお子様は少なくないようです。文字の認識ができなかったり、『みかん』を『み』『か』『ん』などの一音ずつしか読めなかったり、小さい『っ』や音を伸ばす『-』が認識できずに読めない場合や、そもそも音読自体をやろうとせず拒むお子様は、学習障がいの中の【読み・書き障がい(ディスレクシア)】の可能性があるそうです。
なので、音読をきっかけにお子様の本質を発見するきっかけになることもあるので、音読も大事なことだなと思いました。皆様もお子様の音読の宿題の意味を少し気にしてみてくださいね。