おひさま 第39号~不登校の難しさ…/ 大人だけじゃない!子どもにもかかわるブルーライトからの影響~
かさい先生のお話【不登校の難しさ…】
発達とこころの外来では不登校のお子さんも診察させていただいています。しかし、何十年も前から日本の社会問題になっているように、すんなり解決できるような問題ではないと思っています。医学的に注意している点としてはお子さんに精神的な疾患や、発達面や敏感気質の問題がないかは確認しています。当然学校の様子(友人関係、いじめ、学業不振など)や家族関係(親子関係、夫婦関係、父母と祖父母との関係など)も確認させてもらいます。そして、不登校のお子さんが学校にも家庭にもどこにも居場所がない、社会との接点が少なくなってきたお子さんには臨床心理の先生にカウンセリングで繋がるようにと思って関わっています。受診されたお子さんで再登校につながった方もみえますが、家では元気だが、学校には行けないお子さん。一方で本人が全く来られず、お母さんのみカウンセリングや、数回親子で受診しその後来なくなった方も多々おられます。この程度のアプローチでうまくいくほど一筋縄ではいかない難しい問題なのでしょう。
外来をしていて思うことは、学校、家庭と医療サイドの目標設定にずれがあると思います。学校や家庭では以前から再登校への希望や目標があります。今では文部科学省も不登校は誰にでも起こりうる問題とスタンスを変え、フリースクールなど多様な学べる居場所を確保すると変化してきています。私的な見解ですが医療の立場から言えば、たとえ学校に行けなくてもどこかに社会との接点や居場所があって、こころとからだが健康である不登校ならいいのではと考えています。人はこころが病んでしまったら本来持っている能力は発揮できません。こころが病んでまで学校は行かなければいけないものなのでしょうか?と思います。大人は仕事が自分に合わなければ、辞めて転職と言う決断ができます。子どもは学校がつらくても辞めることはできず、親から行きなさいと言うプレッシャーを与えられ追いつめられ、学校、家庭で居場所がなくなってきます。親としては学校に行けなければ、この子の人生はどうなってしまうのだろう、引きこもりになってしまうのではという不安が付きまとうこともあるのでしょう。しかし将来への悩みや不安を一番強く感じているのは間違いなく親ではなく本人です。ほとんどのお子さんは、学校に行けない自分を責めています。「学校に行けない自分はダメだ」、「普通に学校に行けなくて親に迷惑をかけて申し訳ない」と・・・。
お子さんには、少なくとも安心できる居場所が必要であり、現状を受け入れ、理解してあげる気持ちが大切です。この問題に決まりきった正解はないと思います、お子さんの性格や個性、家庭、学校での環境など様々なものが複雑になっています。その子にあった正解に近い答えをいっしょに探してあげなければと感じています。
お子さんには、少なくとも安心できる居場所が必要であり、現状を受け入れ、理解してあげる気持ちが大切です。この問題に決まりきった正解はないと思います、お子さんの性格や個性、家庭、学校での環境など様々なものが複雑になっています。その子にあった正解に近い答えをいっしょに探してあげなければと感じています。
スタッフコラム【大人だけじゃない!子どもにもかかわるブルーライトからの影響】
近年、パソコンやスマホ、ゲーム機などの普及で誰もが耳にするブルーライトですが、ブルーライトがどういうものなのか、みなさんご存知ですか?
ブルーライトとは、太陽光に含まれる光で、体内リズムをコントロールする役割があります。ただ、ブルーライトは紫外線の波長に近く、人の目で見ることのできる光の中でも非常に強力なエネルギーを持っているため、ブルーライト=目の負担と認識している方も多いように、長時間接触することで人の目や身体に大きな負担をかけてしまいます。
ブルーライトとは、太陽光に含まれる光で、体内リズムをコントロールする役割があります。ただ、ブルーライトは紫外線の波長に近く、人の目で見ることのできる光の中でも非常に強力なエネルギーを持っているため、ブルーライト=目の負担と認識している方も多いように、長時間接触することで人の目や身体に大きな負担をかけてしまいます。
『目』というのは、体内リズムを調整する時計の役割をしており、目の網膜には光の色の感知、明暗の感知、体内リズムをコントロールする役割があります。
LEDライトが急増して以降、ブルーライトを発する機器が増え、特にスマホ、ゲーム機、パソコンのブルーライト放出量は大量です。ブルーライトを浴びる時間は年々増加しており、機器だけで平均約5時間20分接触、家の照明にLEDを使用していると、1日の1/3の時間ブルーライトを浴びているといっても過言ではない状況です。
LEDライトが急増して以降、ブルーライトを発する機器が増え、特にスマホ、ゲーム機、パソコンのブルーライト放出量は大量です。ブルーライトを浴びる時間は年々増加しており、機器だけで平均約5時間20分接触、家の照明にLEDを使用していると、1日の1/3の時間ブルーライトを浴びているといっても過言ではない状況です。
ブルーライトを浴び続けることにより、目の疲れ、肩こり、腰痛、頭痛につながり、また、ライトを浴びることにより、アドレナリン、セロトニン、コルチゾールといったホルモンが体内リズムを乱します。それにより、睡眠の質の低下、病気リスクの増加、心や美容への影響も出てきます。
お子さまの目の水晶体は透明で濁りがないため、特に影響を受けやすく、日々の積み重なりにより、視力の低下につながり、そのほかにも頭痛や睡眠不足、やる気の低下など身体への負担が大きくなると言えます。ブルーライトを完全に阻止することは困難ですし、ある程度の光を浴びることで健康維持にもつながるのも事実です。
ただ、今後、さらに増えていくであろうブルーライトから身を守るためにも、生活の中からブルーライトを減らすことも必要かもれません。
たとえば、
ただ、今後、さらに増えていくであろうブルーライトから身を守るためにも、生活の中からブルーライトを減らすことも必要かもれません。
たとえば、
- 1時間ゲーム機(スマホ・TV・You-Tubeを観る等)を使用したら、15分程度休憩を入れる。※お子さまは1日の使用時間を決めて使いましょう。
- 画面の輝度、コントラストを調整する。
- 画面にブルーライトカットのフィルターを貼る。