おひさま 第1号~子供のネット・ゲーム/子どもの肥満~
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【院内報がリニューアルしました★】
おくむらこどもクリニックで毎月発行しておりました院内報『たんぽぽ通信』が、先日100号を迎えました。今月よりタイトルをリニューアルし院内報『おひさま』を発行していくことになりました。引き続き、院長・副院長のお話や、スタッフによるコラムなど、皆様のお役に立てる情報を発信してまいりますので、是非ご覧ください!
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葛西先生のお話【子どものネット・ゲーム】
僕が担当している発達とこころの外来を受診される親御さんからネットやゲームで「暇があれば、1日中ずっとやっている」、「やめるように言っても反抗して怒る」とよく相談を受けます。同じような外来をされている先生方の講演や研究会でも子どもたちのネットやゲームの問題がよく取り上げられています。
まず、ネットやゲームの前に「依存」を理解することが大切です。依存には皆さんもよく知っているようにドラッグ、アルコール、ギャンブルなどがあります。そのような物や行為によって「気持ちがいい」という快感を得るために、量、時間、回数を増やしていきます。比較的生活が安定している時は良いのですが、ストレスを抱えていて不安定な時にのめり込んでしまいます。さまざまな問題が起きても本人は一向に止めようとしません。本人は病気と認識していることは少なく、周りが言っても本人は絶対認めようとしません、認めてしまえば、その快楽をやめなければならないのが怖くなってしまうのです、依存しているものが唯一のこころ安らぐものだからです。周りからも正論で問い詰められ、本人は理屈では反論できないため暴力になったりもします。依存にはいったん治っても、何らかのきっかけで再び依存に陥ることがよくあります。脳の中にその快楽をずっと記憶していて、再びストレスを感じたりすると、繰り返してしまいます。今はネットがなくては成り立たない社会なので日常生活にないわけにはいきません。したがって上手に付き合っていく必要があります。よく言われているのは、依存傾向になってから何とかすることはとにかく大変であり(外来でもそう思います)、予防が非常に大切と考えます。子どもにネット環境やゲームを与える時は低年齢から与えず、与える時は家族で本人も含めてしっかり相談し厳格なルールが必要と考えます(使用時間は2時間未満、夜は9時以降しない、リビングでしか使用しないなど)。間違っても、親の都合でゲームしていると、おとなしく遊んでくれるからいい方法などと安易に与えない方がよいというのが実感です。それが、後々取り返しがつかない問題となってくる可能性を大きく秘めているということを強く感じています。与える時には、子どもがネットやゲームにはまってしまっても最後まで与えた親が責任をとるという強い覚悟が必要だと思います。日本の社会ではタバコやアルコール、ドラックは注意喚起や法律で禁止がなされているのに、依存性を持つ可能性が高いネットやゲームは注意喚起すらされていない現状にも問題がありますが、国や業界の対応が後手に回っている今、自分の子どもは親が守ってあげなければいけないと思っています。
子どもの肥満
近年、子どもの肥満が増えてきているそうです。子どもの肥満は色々な問題があるため、良いことではないのです。
どうして肥満になるのか
子どもの肥満は、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っているため、余分なエネルギーが脂肪分として体内に過剰に蓄積されてしまいます。
どうしていけないのか
- 子供の頃から肥満だと、大人になっても肥満に移行してしまうからです。
- 高コレステロール血症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病が、子どもの時から合併してしまうからです。
どのように改善するべきなのか
肥満を解消する方法は、摂取エネルギーより消費エネルギーを多くして、体脂肪を減らしていくことです。ただ、子どもは成長期なので、身長が伸びることを考え、体重を減らすことよりも増やさないようにすることが大切です。
①摂取エネルギーを減らすこと
- 1日3食食べ、主食、主菜、副菜をバランスよく食べましょう。
- おやつの時間をきちんと決めて、だらだら食べることはやめましょう。果物やヨーグルトなどカロリーが控えめで栄養価の高いものがおすすめです。
- よく噛んで満腹中枢を刺激すると、量を減らしても満腹感が得られます。
②消費エネルギーを多くすること
- 急な運動は続かないので、現状よりも少し動くことを意識しましょう。また、一人では続かなかったり、楽しくなかったりするので、家族みんなでやるなど周囲のサポートが大切になってきます。
- 家でテレビを見たりゲームをしてばかりでなく、外で鬼ごっこをしたり縄跳びをしたり遊びながら、楽しく体を動かしましょう。
- 屋外で遊べない時は、お母さんのお手伝いをして体を動かすようにしましょう。その時も、ただやるだけではなく、お母さんとお話しをしてコミュニケーションを取りながらやるといいですね。